2026年9月17日、オーストラリア政府が移民制度の見直しを発表しました。日本人のワーホリ・留学に直結する内容が多く含まれていますが、いま出回っている情報には「もう決まったこと」と「まだ決まっていないこと」が混ざっています。
この記事では、オーストラリア内務省の公式ページと大臣の発表をもとに、確定していること/予定(未確定)のことをはっきり分けて整理します。
まず30秒で。今回の発表で変わる4つのこと
ワーホリの2年目・3年目が「抽選制」に
地方就労の条件(88日/6か月)を満たしても、自動で次のビザはもらえなくなる方針。2年目4万5,000人・3年目5,000人の枠が設けられる見込みです。
1年目のワーホリは人数上限なし+審査スピード正常化へ
日本のパスポートで申請する Working Holiday(417)は人数上限の対象外。政府はワーホリの処理期間を「3か月程度」に安定させると明言しています。
観光ビザに「No Further Stay」条件が付く
観光で入国して、そのまま国内で別のビザに切り替えるルートが今後さらに閉ざされます。適用範囲や開始日はまだ未発表です。
学生ビザはビザホッピング規制+家族帯同は原則NG
同レベルへのコース変更は新たなビザ申請が必要に。学生ビザ・卒業ビザでの配偶者・子どもの帯同は原則認められなくなります。
いちばん大事な前提:今回の発表は「法律が成立して即スタート」ではありません。内務省は「変更はすでに実装が始まっており、今後12か月かけて段階的に実施される」としており、2026年9月17日時点で、どの項目も開始日は発表されていません。
今すぐ予定を変える必要はありません。むしろ「未確定の情報で動かないこと」が大切です。
この記事の読み方 — 3つのラベル
| ラベル | 意味 |
|---|---|
| 確定 | 公式発表に明記されている、または現行ルールとしてすでに運用されているもの。 |
| 予定・未確定 | 政府が「やる」と表明したが、詳細・開始日が未発表で、まだ施行されていないもの。 |
| 現行ルール | 発表があっても、実際に切り替わるまでは今のルールが適用されるもの。 |
そもそも、なぜ今回こんな発表があったの?
発表したのは、オーストラリアのトニー・バーク内務大臣。2026年9月17日(木)、キャンベラのナショナル・プレス・クラブでの演説で、移民制度の次の一手を発表しました。
背景にあるのは、移民の受け入れ数を抑える方針です。オーストラリア統計局(ABS)によると、2026年3月までの1年間の純海外移民数(Net Overseas Migration)は約29万2,000人。政府はこれを今年度24万5,000人、2027〜28年度には22万5,000人まで減らす目標を掲げており、今回の施策はその具体策という位置づけです。
| 対象 | 発表された内容 | 開始時期 |
|---|---|---|
| ワーホリ | 2年目・3年目のビザを抽選制に。年間の人数上限を設ける(2年目4.5万人・3年目5,000人)。地方就労の要件は維持。 | 未発表 |
| 観光ビザ | 今後発給する観光ビザに「No Further Stay」条件を付与。 | 未発表 |
| 学生ビザ | 同レベルへのコース変更は新規ビザ申請が必要に。進学は上のレベルのみ。家族帯同を原則認めない。 | 未発表 |
| オーバーステイ | ビザなし滞在者への取り締まりを強化。出国しない場合は収容する運用に戻す。 | 未発表 |
※内務省の公式ページ(Australian Government migration policy changes)と大臣メディアリリースの記載にもとづきます。今回の変更は法律の改正ではなく、規則・大臣指示(Ministerial Direction)の見直しで実施される予定のものが多く含まれます。
02 / CHANGE 1変更①:ワーホリの2年目・3年目が「抽選」に
ここが日本人にいちばん影響が大きい
予定・未確定NOT IN FORCE YETこれまで、地方の指定された仕事などを一定期間こなせば、2年目・3年目のワーホリビザを「申請すればもらえる」仕組みでした。今後はここに抽選(ballot)が入り、条件を満たしても全員が次のビザを取れるわけではなくなる方針です。
数字で見る:枠と、前年に条件を満たした人の数
大臣の演説では、抽選制のもとでの年間上限と、前年に条件を満たした人数が示されました。ここが今回の核心です。
大事なポイント:抽選制になっても「地方での指定就労」という条件そのものは残ります(2年目は88日、3年目は6か月)。つまり「大変な仕事を終えたのに、抽選に外れたら次のビザがもらえない」というケースが起こり得る、というのが今回の変更の重さです。
「確定」と「まだ未確定」を分けておこう
確定・公式発表に明記
- 2年目・3年目に抽選制を導入する方針(内務省ページに明記)
- 2年目 4万5,000人/3年目 5,000人の上限
- 地方就労の要件(88日・6か月)は維持
- ワーホリの処理期間を3か月程度に安定させる目標
- 1年目の Working Holiday(417)は人数上限なし
- 英国籍者はFTAにより指定就労不要(=抽選の枠外)
まだ未発表・未確定
- 開始日(どの年度から始まるか)
- 抽選への登録期間・申込方法・選考のしくみ
- 対象となる指定地域・指定都市(どのエリアが対象か)
- 応募者が枠を下回った場合の扱い
- 必要な法改正の内容と成立時期
- 英国籍者との制度のすり合わせ方
「ほぼ確定=まだ確定ではない」というのがいまの正確な状態です。抽選制の導入には法改正が必要とされており、2026年9月19日時点で新制度は施行されていません。内務省の公式ビザ案内ページも、まだ今回の内容には更新されていません。
今は現行のルールどおりに2年目・3年目の申請が可能です。
1年目をめざす人にとってはプラス材料も
今回の発表には、これからワーホリに行く人にとって前向きな内容も含まれています。日本のように地方就労の条件がある国の申請者について、審査の速度を通常に戻す方針が示され、内務省はワーホリ申請の処理期間を3か月程度に安定させるとしています。2026年8月以降、ワーホリの審査が遅れていると案内されていたので、1年目を考えている人にとっては追い風です。
なお、この処理期間は「プログラム全体の目標値」であり、個別の申請が必ず3か月で下りる保証ではありません。内務省も「ビザが下りるまで航空券や仕事・学校の予約をしないように」と呼びかけています。
変更②:観光ビザに「No Further Stay」条件
「観光で入国 → 現地で切り替え」がさらに難しく
予定・未確定DETAILS TBC政府は、すべての訪問者ビザ(Visitor visa)に「No Further Stay」条件を付ける方針を示しました。この条件が付いたビザで入国すると、オーストラリア国内にいるあいだは、ほとんどの別のビザを申請できなくなります(例外として示されているのは保護ビザのみ)。
政府の狙いは、観光ビザで入国したあとに国内で別のビザを申請し、審査中のブリッジングビザで滞在を延ばす——という使われ方を防ぐことだと説明しています。
ここは誤解しやすいポイント
確定していること
- 「すべての訪問者ビザに No Further Stay を導入する」と公式に表明
- すでに発給済みのビザには適用されない(今後の発給分から)
- 観光ビザ(ETA含む)で入国して国内で学生ビザに切り替えることは、2024年7月1日からすでに不可
まだ未確定なこと
- 日本人がよく使うETA(サブクラス601)が対象になるか
- ヨーロッパの人が使うeVisitor(651)の扱い
- 条件が付く具体的な開始日
- 免除(ウェイバー)が認められるケースの範囲
ここは要注意。「観光で入国して、現地で語学学校を見てから学生ビザに切り替える」というルートは、今回の発表より前から、すでに使えません(2024年7月1日以降)。今回の発表はそれをさらに広げる話です。
そして政府は「すべての訪問ビザ」と広く書いていますが、ETAやeVisitorがどうなるかはまだ何も公表されていません。SNSで断定情報が出回っても、公式発表が出るまでは保留にしましょう。
変更③:学生ビザのルールが厳しくなる
コース変更・進学・家族帯同の3点が変わる
予定・未確定POLICY ANNOUNCED内務省は公式ページで「学生ビザの健全性を高めるため、ビザホッピングを止め、ほとんどの学生ビザで副申請者(secondary applicants)を制限する」としています。具体的には次の3つです。
たとえば同じ学校・同じレベル(例:語学学校から語学学校)でコースを変える場合、今後は新しく学生ビザを申請する必要があります。本当に学習目的での変更かを審査するためです。
学士から修士のように、より上のレベルへ進むことは認められますが、レベルを維持・低下させながら学校を渡り歩く「ビザホッピング」は終わらせると内務大臣が明言しています。
学生ビザ、および卒業ビザ(サブクラス485)で、配偶者や子どもなどの家族を帯同することは原則として認められなくなります。例外はPhDなど一部のコースと、太平洋諸国・ASEAN諸国向けの特別な条件です。
誰が影響を受ける?「語学学校 → 専門学校 → 大学」のように段階的にステップアップしながら長く滞在するプランを考えている人、そして家族(パートナー・子ども)と一緒に留学したい人は、今回の変更を直接受けます。
逆に、最初から学位課程(大学・大学院)に進むストレートな留学は、影響が比較的小さいと考えられます。
※開始日・詳細は未発表です。今のところ、現行の学生ビザのルール(GS=Genuine Student要件など)がそのまま適用されます。
05 / CHANGE 4変更④:オーバーステイへの対応が厳しくなる
ビザなし滞在は「出国」が原則に
予定・未確定IMPLEMENTING内務省は「有効なビザを持たない人が必ず出国できるよう、コンプライアンス(取り締まり)を強化する」としています。運用としては2015年以前のやり方に戻すとされ、まずブリッジングビザを出して出国を求め、応じない場合は収容するという流れになります。
あわせて、取り締まりを担う職員を100人、収容施設の定員を250人分増やすとしています。
「うっかり」であっても、ビザの期限管理は今まで以上にシビアになります。滞在許可日・ビザの条件は、必ず自分で(そして信頼できる窓口で)確認しましょう。
これからどうなる? — 今の立ち位置
バーク内務大臣がナショナル・プレス・クラブで演説。ワーホリ2・3年目の抽選制、観光ビザの No Further Stay、学生ビザの家族帯同制限などを表明。
開始日、対象エリア(指定地域・指定都市)、抽選の登録期間・方法、法改正の内容などはすべて未発表。ビザ案内ページもまだ更新されていません。
内務省は「変更はすでに実装が始まっており、今後12か月かけて段階的に実施される」としています。項目ごとに開始日が別々に公表される見込みです。
施行された時点から新しい条件が適用されます。それまでは今のルールで申請・延長が可能です。
で、私たちはどう動けばいい?
- セカンド・サード前提の「なんとなく2年プラン」は見直す抽選が入ると、「行けばなんとかなる」前提の計画はリスクが上がります。まずは1年目の中で「英語力を伸ばす」「働く」「旅する」といった目的をしっかり達成できるか、という見方で計画を立てるのが安心。2年目・3年目は「当たれば行ける」ボーナスとして位置づけておくと、気持ちがラクになります。
- 観光で「下見」してから決めたい人は、ルートを再確認「観光ビザで入国して、現地を見てから学校を決めて学生ビザに切り替える」という方法は、すでに使えません(2024年7月1日以降)。今後は No Further Stay 条件でさらに制限が広がる方針なので、渡航前にビザの種類を決めて、日本にいるうちに申請しておくのが基本です。
- 家族帯同・段階的な進学を考えている人は、早めに相談をパートナーや子どもと一緒に留学したい人、語学学校から専門学校・大学へと段階的に進みたい人は、今回の変更の影響を直接受けます。プランの組み替えが必要になる可能性が高いので、情報が確定する前でも「選択肢を複数もっておく」ことが大事です。
- 予定で動かない。確定してから予約するいちばん避けたいのが、未確定の情報をもとに航空券や学校の予約を進めてしまうこと。内務省も「ビザが下りるまで航空券や仕事・学校の予約をしないように」と呼びかけています。今回の発表は「方針」であって「決定事項の施行」ではありません。当面は、現行ルールで動きつつ公式発表を追うのが正解です。
- 情報は「一次ソース」で追うSNSでは「もう決まった」「来月から変わる」といった情報が飛び交いますが、確実なのはオーストラリア内務省(Home Affairs)の公式ページです。開始日や対象エリアは、まず公式に公表されます。この記事の末尾にリンクをまとめました。
「確定」「予定」早見表
信頼できる記事にするために、いちばん大事な表です。ここだけスクショして保存しておくのがおすすめ。
| 項目 | ステータス | 中身 |
|---|---|---|
| ワーホリ2・3年目の抽選制 | 予定 | 方針は公式に発表。ただし法改正が必要とされ、未施行。開始日・登録方法・対象エリアは未発表。 |
| 上限枠(2年目45,000/3年目5,000) | 予定 | 大臣演説で数字が示された段階。施行はこれから。 |
| 地方就労の要件(88日・6か月) | 確定 | 維持される。現行ルールとしても有効。 |
| 1年目ワーホリ(417)の人数上限 | 確定 | 上限なし(公式)。日本のパスポートは417の対象。 |
| ワーホリ処理期間「3か月程度」 | 確定 | 政府目標として公式に明記。個別申請の保証ではない。 |
| 観光ビザへの No Further Stay | 予定 | 方針は公式。既発給分には適用されない見込み。ETA・eVisitorの扱いは未発表。 |
| 観光→現地で学生ビザ切り替え | 確定 | 2024年7月1日からすでに不可。今回の発表より前の話。 |
| 学生ビザのビザホッピング規制・家族帯同制限 | 予定 | 方針は公式発表に明記。詳細・開始日は未発表。 |
| オーバーステイ対策の強化 | 予定 | 方針は公式。運用開始時期は未発表。 |
| 純海外移民数の削減目標 | 確定 | 24万5,000人(今年度)→22万5,000人(2027-28年度)の予算目標。 |
よくある質問
セカンドワーホリの抽選は、いつから始まりますか?
2026年9月19日時点で開始日は発表されていません。政府は「今後12か月かけて段階的に実施する」としており、抽選制の導入には法改正が必要と指摘されています。まずは内務省の公式ページで公表を待つ形になります。
1年目のワーホリにも人数の上限ができますか?
いいえ。内務省は「Working Holiday(サブクラス417)には人数上限がない」と明記しています。日本人が使うのは原則この417なので、1年目については上限の話は当てはまりません。抽選・上限の対象は、あくまで2年目・3年目です。
もう持っている観光ビザにも、No Further Stay 条件は付きますか?
すでに発給済みのビザには適用されず、今後発給されるビザからのルールになる見込みです。ただし正式な適用範囲・開始日は未発表なので、公式情報を確認してください。
観光で入国して、現地で学生ビザに切り替えられますか?
できません。観光ビザ(ETAを含む)で入国した人が、オーストラリア国内で学生ビザを申請することは2024年7月1日からすでにできなくなっています。今回の発表以前から変更されている点なので注意してください。
抽選に外れたら、88日働いたのは無駄になりますか?
前提として、地方就労の要件(88日・6か月)は維持されます。条件を満たせば抽選に参加できる、という整理です。ただし応募者が枠を下回った場合の扱いや、外れた場合に次の機会があるのかといった詳細はまだ発表されていません。今後の公式発表を待つ必要があります。
この発表で、日本だけが対象になる変更はありますか?
ありません。今回の変更は特定の国を狙ったものではなく、オーストラリア全体の移民制度の見直しです。なお、英国籍者は自由貿易協定(FTA)により地方就労の条件がないため、今回の抽選制の対象外とされています。
この記事の出典(一次情報)
本記事は、以下のオーストラリア政府の公式発表および信頼性の高い報道をもとに作成しています。最新の状況は必ず公式ページでご確認ください。
- Department of Home Affairs Australian Government migration policy changes 変更内容の一覧と「今後12か月で段階的に実施」の記載(内務省公式)
- Minister for Home Affairs Media release: Migration reform to end rorts and bring skills Australia needs 2026年9月17日のメディアリリース(大臣公式)
- Minister for Home Affairs Speech at the National Press Club — 17 September 2026 2年目45,000人・3年目5,000人の上限、前年の達成者数が示された演説全文
- Department of Home Affairs Working Holiday Maker program – latest news 処理期間の考え方、417の上限なし、国別の制度情報
- Department of Home Affairs Student visa (subclass 500) 学生ビザの現行ルール(GS要件など)
- Department of Home Affairs Third Working Holiday visa (subclass 417) 3年目ビザの現行要件
- Australian Bureau of Statistics National, state and territory population 純海外移民数292,000人のデータ(2026年9月17日公表)
- 報道 Australia announces reforms to Working Holiday and Visitor visas(VisasNews) 抽選制に法改正が必要で未施行である点、ETA・eVisitorの扱いが未公表である点
「自分の場合はどうなる?」を、いま確認しておきましょう
今回の変更は、渡航時期・目的・家族構成によって影響がまったく変わります。制度が確定していない今のタイミングだからこそ、複数のプランを持っておくことが強い。自分留学では、公式発表をもとにした最新情報で、あなたのケースに合わせたプランをご提案します。
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本記事は、2026年9月19日時点で公表されているオーストラリア政府の公式発表および報道をもとに、自分留学が作成したものです。掲載内容は発表時点のものであり、制度の詳細・開始時期は今後変更される可能性があります。「予定」「未確定」と記載した内容は、2026年9月19日時点で施行されていないものを含みます。ビザの申請可否・条件は、必ずオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の公式情報をご確認ください。本記事は個別のビザ申請に関する法的アドバイスを提供するものではありません。
最終更新:2026年9月19日






